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全顎インプラント、下顎は1週間以内に仮歯 — 上下で異なる方法で進めた症例

作成 更新 李鍾範 院長
初診時の正面口腔内写真 — 上下顎のほとんどの歯に歯周病が進行した状態(26.7.13)

「歯の状態がとても悪く、全体的に相談を受けたいです。」

こんにちは。

同じ理由で再びいらっしゃることのないよう
長く快適にお使いいただける治療を考える

統合歯科学専門医
議政府ボストンミソ歯科
李鍾範(イ・ジョンボム)院長です。

💡 核心の答え

全体インプラント(full-arch implant)だからといって、上下を同じ方法で進めるわけではありません。インプラントが骨に定着する力が十分であれば、埋入後の早い時期に仮歯を連結できますが、骨移植(bone graft)も必要な部位は、骨と十分に結合するまで歯ぐきの中で保護しながら待つ方がよいでしょう。このケースでは、下顎は埋入後1週間以内に固定式仮歯を連結し、上顎は骨移植が必要だったため待ってから仮義歯を使用しました。ボストンミソ歯科 李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 骨がしっかり定着すれば急ぎ、待つべきところでは待ちます。

今回の症例をひと目で

検査の結果、上下ほとんどの歯の周りで歯周病が大きく進行しており、残っている歯も長く維持するのが難しい状態でした。

そこで全体的に歯を整理し、全顎インプラント治療を進めました。下顎には6本のインプラントを埋入した後、インプラントが骨に定着する力を確認し、埋入後1週間以内に固定式仮歯を連結しました。歯が一本もない状態で過ごした期間は1週間を超えませんでした。

一方、上顎は骨が不足している部位に骨移植も必要でした。そのためインプラントが骨と十分に結合できるよう、歯ぐきの中で保護しながら待つ方法を選びました。上顎は歯を整理した後、約2週間、歯がない状態で過ごされ、その後は取り外しできる仮義歯を使用しています。

李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 上下を同じ方法では行いません。骨がしっかり定着すれば1週間以内に仮歯を連結し、骨移植が必要であれば待ちます。待つべきところで急ぐことはありません。

診断および治療計画

長期間にわたって歯周病が進行すると、歯を支える歯ぐきと周囲の骨が弱くなることがあります。すると歯が動揺したり位置が変わったりし、上下の歯がかみ合う状態も乱れることがあります。

今回の患者様も上下顎ほとんどの歯の周りで重度の歯周病が進行しており、一部の歯だけを個別に治療して維持するよりも、全体的な治療方針を併せて検討すべき状態でした。

歯周病で崩れた咬合状態 — 初診時の左右側面口腔内写真

26.7.13

何より今回の患者様は、知人の紹介を受けて当院にお越しくださいました。複数の歯を抜歯し、上下顎全体の治療を進めなければならない大きな決断を前に、私たちに治療を任せてくださったことに大きな感謝の気持ちがありました。その気持ちを軽んじることなく、治療過程で感じられるであろう不便さまで併せて考えながら、一つひとつ慎重に計画を立てました。

初診時の正面口腔内写真 — 上下顎ほとんどの歯に歯周病が進行した状態

26.7.13

検査の結果、ほとんどの歯を長期的に維持するのは難しいと判断し、全顎インプラント治療を計画しました。ただし上顎と下顎の骨の状態が互いに異なっていたため、同じ方法では進めませんでした。

下顎はインプラントを埋入したときに骨に比較的しっかり定着できると判断しました。そこでインプラントを埋入した後、1週間以内に仮歯を連結する「即時荷重(Immediate Loading)」の方法を計画しました。

簡単に言えば、インプラントは骨の中に立てる柱に似ています。柱が最初から十分にしっかりと固定されていれば、インプラントが完全に定着するのを待つ間も、仮に使用できる歯を連結してみることができます。

ここで使用する仮歯は、患者様ご自身で取り外しする入れ歯ではなく、複数のインプラントに一体で連結して使用する形態です。これを「固定式仮歯」と呼びます。

一方、上顎は状況が異なりました。インプラントを埋入するための骨が不足しており、骨移植も併せて必要で、移植した部位が安定して回復するための時間を十分に確保することが重要でした。

サブマージインプラント施術過程 — 埋入後、歯ぐきで覆って治癒させ、骨結合が確認されたら歯ぐきを開いてアバットメントを連結する

理解を助けるためのAIイメージ — サブマージ方式です。②の治癒期間はインプラントを歯ぐきで覆っておくため外からは見えず、そのため③で歯ぐきを再び開いてアバットメント(abutment)を連結する段階が必要です。

そのため上顎には、インプラントを埋入した後すぐに歯を連結するのではなく、歯ぐきの中で保護しながら骨と結合するのを待つ「サブマージ(Submerged)」方式を適用しました。

新しく植えた木が根を張る間、揺らさずに土の中で安定して定着する時間を与えるのと似ていると考えていただければと思います。インプラントも骨と十分に結合する時間が必要な場合には、急いで力を加えるよりも安定した治癒を待つことが重要です。

治療の過程

1. 下の歯を抜歯し、インプラントを埋入しました

まず長期的な維持が難しかった下の6本の歯を抜歯しました。

下顎咬合面の初診時口腔内写真 — 残っている下顎の歯の状態

26.7.13

その後、右下奥歯と前歯部、そして左下奥歯の部位にそれぞれインプラントを埋入し、合計6本のインプラントを入れました。この際、噛む力が一方に偏らないよう、全体のバランスを先に考慮しました。そのため、できるだけ少ない本数のインプラントでも力が均等に分散できる位置を選んで埋入しました。

下顎インプラント6本埋入後、マルチユニットアバットメントを連結した状態

26.7.14 — 下顎インプラント6本にマルチユニットアバットメントを連結した状態

インプラントを埋入した直後は、それぞれのインプラントが骨にどれだけしっかり定着しているかをまず確認します。この際、特定の1本のインプラントだけに噛む力が集中すると、その部位への負担が大きくなることがあります。そこで、それぞれを個別に使用する代わりに、複数のインプラントを一体に連結して仮歯を作り、力が均等に分散されるようにしました。

簡単に言えば、一人が重い荷物を一人で持つよりも、複数人で分けて持つように、力を分散して受けるよう設計したものです。

2. 下の仮歯を埋入1週間以内に連結しました

手術翌日に下顎の手術部位を確認・消毒したうえで、仮歯を作るためのデジタル印象採得を行いました。同じ日に、上顎に使用する仮義歯の製作に必要な印象と、上下の歯がかみ合う関係も併せて確認しました。

印象採得の後は、下顎インプラントに連結するワンピースPMMA仮歯を製作しました。製作を終えた仮歯は、インプラントを埋入してから1週間が経過する前に下顎インプラント6本に一体で連結しました。

下顎インプラント6本に一体で連結したワンピースPMMA固定式仮歯 — インプラント埋入3日目

26.7.16 — インプラント埋入3日目、下顎に固定式仮歯を装着

この仮歯は、一般的な入れ歯のようにご自身で取り外しするものではなく、複数のインプラントに連結して使用する仮の補綴物で、PMMA(歯科用プラスチック材料)で作られており、治療期間中の形と機能を一時的に代わりに担う歯であると同時に、その後の最終補綴物の形・咬合(occlusion)・機能を決める基準にもなる重要な仮の補綴物です。

そのおかげで、すべての歯を抜いた後に長期間まったく歯がない状態で過ごす不便さを減らすことができました。ただし、仮歯を早く連結したからといって、最初から普段どおり硬いものを自由に噛めるという意味ではありません。インプラントはまだ骨と完全に結合する過程にあるため、硬い食べ物や粘り気のある食べ物は避け、インプラントに大きな力がかからないよう注意してお使いいただくようご案内しました。

3. 上顎は抜歯と同時に骨移植を行いました

下顎の仮歯の咬合と慣れの状態をまず確認したうえで、次の段階として上顎の治療を進めました。上顎は長期的に維持することが難しい歯が多く、合計8本の歯を抜歯することになりました。

上顎咬合面の初診時口腔内写真 — 残っている上顎の歯の状態

26.7.13

その後、右上と左上の奥歯および前歯部に合計7本のインプラントを埋入し、上顎の咀嚼機能と全体的なバランスを回復できるよう治療を進めました。

上顎の奥歯側はインプラントを埋入するのに使える骨の高さが不足していました。この部位には解剖学的に上顎洞(maxillary sinus)と呼ばれる空間があり、簡単に言えば上顎の奥歯の上にある「空気の入った空間」のような構造です。この空間が下方まで大きく広がっていると、その分インプラントを埋入できる骨の高さが減ってしまいます。そこで、この上顎洞を慎重に持ち上げてインプラントを埋入するスペースを確保する上顎洞挙上術(sinus lift)もあわせて行いました。

上顎洞挙上術の施術過程 — 骨の高さが不足した状態、上顎洞を挙上して骨移植、インプラント埋入

理解を助けるためのAI画像 — 上顎洞挙上術です。上顎の奥歯の上にある空間(上顎洞)を慎重に持ち上げてできたスペースに骨移植材(bone graft material)を詰め、そうして確保した骨にインプラントを埋入します。

また、骨が不足している部位には骨移植材と吸収性遮蔽膜(barrier membrane)を用いた骨誘導再生術(GBR)を併用しました。骨誘導再生術(guided bone regeneration)は、不足している骨が再び育つよう「スペースを作ってあげる過程」と理解していただくとわかりやすいです。骨が育つべき場所を先に確保し、そこに他の組織が先に入り込まないよう膜で覆うことで、安定して回復するための時間を与える方法です。

4. 上顎はすぐに歯を連結せず、回復を待っています

上顎は下顎と異なり骨移植を同時に行ったため、インプラントと周囲の骨が十分に安定するための時間が必要でした。そのため、インプラントを埋入した直後にすぐ固定式の仮歯を連結せず、インプラントを歯ぐきの中で保護しながら治癒させる方法で手術を終えました。

全顎インプラント埋入前後のパノラマ写真 — 26.7.6治療前と26.7.23上顎7本・下顎6本インプラント埋入後

26.7.6 / 26.7.23

上顎は抜歯・埋入から約2週間後の26.8.7に仮の入れ歯を装着しました。それまでは上顎に歯がない状態で過ごしていただき、現在はこの仮の入れ歯を使用しています。仮の入れ歯はインプラントに直接固定するのではなく、必要なときに取り外せる形のため、骨移植を行った部位とインプラントが安定して回復する間に使用することができます。

上顎仮義歯と下顎固定式仮歯がかみ合った状態

26.8.7 — 上顎に仮の入れ歯を装着、下顎の固定式仮歯とかみ合った状態

歯ぐきは手術後に回復するにつれて形が少しずつ変化することがあるため、仮の入れ歯が当たる部分と上下の歯がかみ合う状態も併せて確認しながら調整しています。今後、十分な骨結合(osseointegration)が確認できれば、歯ぐきの中で治癒中の上顎インプラントを露出させる二次手術を行い、その後補綴治療を続けていく予定です。

同じ患者様なのに上下で方法が異なった理由

全顎インプラントだからといって、上下を同じ一つの方法で進めるわけではありません。骨の条件が異なれば、方法と順序も変わります。

分類 下顎(下あご) 上顎(上あご)
骨の状態 インプラントが比較的しっかりと固定された 奥歯側の骨の高さが不足 — 骨移植が必要
埋入本数 インプラント6本 インプラント7本
併せて行った処置 なし 上顎洞挙上術 + 骨誘導再生術(GBR)
インプラントの処置方法 即時荷重 — 埋入後1週間以内に固定式仮歯を連結 埋没法(サブマージ) — 歯ぐきの中で保護しながら骨結合を待つ
歯がない状態で過ごした期間 1週間以内(埋入後1週間以内に仮歯を連結) 約2週間(抜歯・埋入から15日後に仮の入れ歯を装着)
治療期間中の使用 固定式仮歯(PMMA、取り外し不可) 仮の入れ歯(取り外し可能)

治療結果

今回の全顎インプラント治療は、まだ進行中です。

下顎はインプラント埋入後1週間以内に固定式仮歯を連結し、まったく歯がない状態で過ごす期間を1週間以内に短縮することができました。現在は仮歯に慣れながら日常生活を続けていらっしゃいます。

上顎は骨移植も併せて行った分、急ぐよりも回復を待つ過程が重要です。現在は仮の入れ歯を使用しながら、骨移植部位とインプラントが安定して治癒しているかを継続的に確認しています。

今後、上顎のインプラントが骨と十分に結合したことを確認したうえで、次の治療を進める予定です。その後は上顎と下顎の歯が快適にかみ合っているか、歯ぐきの状態は安定しているか、それぞれのインプラントに力が均等に伝わっているかまで確認しながら、最終補綴治療を段階的に進めていく計画です。

即時荷重(Immediate Loading)とは — 埋入後の早い時期に仮歯を連結する方法

即時荷重は、インプラントを埋入した後に骨と完全に結合するのを待たず、早い時期にインプラントへ仮歯を連結して使用する方法です。今回の患者様の下顎は、埋入後1週間以内に固定式仮歯を連結しました。ただし、すべての場合に適用できるわけではなく、以下の条件をまず確認します。

検討できます

・インプラント埋入直後に骨へしっかり固定されていることが確認できる場合
・複数のインプラントを一つに連結して力を分散させられる場合
・周囲の骨の量と状態が十分な場合

⚠️ 追加確認が必要です

・骨移植を同時に行った場合 — 移植した骨が定着する時間がまず必要です
・上顎洞挙上術も併せて必要な場合
・仮歯を連結しても、最初から硬い食べ物を普段どおり噛めるという意味ではありません

今回のケースは、下顎が「検討できます」、上顎が「追加確認が必要です」に該当しました。同じ患者様でも上下で条件が異なれば、方法と順序は変わります。

よくある質問 Q&A

Q. 全顎インプラントをすると、抜歯後すぐに仮歯を使用できますか?

すべての患者様がすぐに仮歯を使えるわけではありません。インプラントを埋入したときに骨にどれだけしっかり定着するか、周囲の骨の量と状態はどうかなどを先に確認する必要があります。今回の患者様も下顎には埋入後1週間以内に仮歯を連結しましたが、骨移植が必要だった上顎はすぐに歯を連結せず、十分な回復期間を設けています。

Q. なぜ下顎はすぐに仮歯を連結し、上顎は待ったのですか?

下顎と上顎で骨の状態が異なっていたためです。下顎はインプラントが最初から比較的しっかり定着し、早く仮歯を連結できましたが、上顎は骨移植を同時に行ったため、移植した骨とインプラントが安定して定着する時間が必要でした。同じ家を建てるにも、地盤が固い場所と基礎を補強しなければならない場所とでは工法が異なるのと似ています。

Q. 固定式の仮歯と仮の入れ歯は何が違いますか?

固定式仮歯は、患者様ご自身で取り外しするものではなく、インプラントに連結して使用する仮歯です。一方、仮義歯は必要なときに取り外しできる形態です。両者の違いを分かりやすくまとめると以下のとおりです。

分類 固定式仮歯 仮の入れ歯
装着方式 インプラントにしっかり連結して固定される 必要なときに取り外しできる
動き ほとんど動かない 使用中に多少動くことがある
使用感 天然歯に近い感覚 入れ歯のように着脱する感覚
力の伝わり方 複数のインプラントに力が分散して伝わる 歯ぐきに一部の力が伝わる
使用目的 咀嚼機能を早く回復 回復期間中の仮の使用

Q. 仮歯を連結すれば、すぐに普段どおり食事できますか?

仮歯を連結した後も、最初から硬い食べ物や噛み応えのある食べ物を普段どおりに召し上がるのは避けた方がよいでしょう。インプラントが骨に完全に定着するまでは、過度な力が伝わらないよう注意が必要です。

Q. 議政府で全顎インプラントの相談を受けるとき、どの部分を確認すべきですか?

現在残っている歯を維持できるかどうかだけでなく、上顎と下顎の骨の状態、骨移植が必要な部位、インプラントを埋入した後にどのような方法で仮歯を使えるかまで併せて確認するのがよいでしょう。同じ患者様でも上顎と下顎の条件が異なれば、今回の症例のように異なる方法と順序で治療が進むことがあります。

Q. 全顎インプラントをすると、歯がない状態で何か月過ごすことになりますか?

条件によって異なります。インプラントが骨と結合するのを待たなければならない場合は数か月かかりますが、埋入直後から骨にしっかり定着していることが確認できれば、即時荷重によってその期間を大きく短縮できます。今回の患者様の下顎は、埋入後1週間以内に固定式仮歯を連結し、歯が全くない状態で過ごした期間は1週間を超えませんでした。一方、骨移植を同時に行った上顎は事情が異なりました。抜歯・埋入後約2週間は上顎に歯がない状態で過ごされ、その後、取り外しできる仮義歯を装着して現在まで使用しています。

Q. 「1日でインプラントを終えられる」とはどういう意味ですか?

インプラント治療全体が1日で終わるという意味ではありません。埋入当日や早い時期に仮歯を連結し、見た目の歯と基本的な機能を先に取り戻すという意味であり、インプラントが骨と結合する過程と最終的な補綴治療はその後も続きます。今回の患者様も下顎は埋入後1週間以内に仮歯を連結しましたが、最終補綴は骨結合を確認した後に進める予定です。ご相談の際は「いつから仮歯を使うことになるのか」と「最終補綴までどれくらいかかるのか」を分けて確認されるとよいでしょう。

よく検索される質問

Q. 議政府で全顎インプラントの相談ができる歯科医院はありますか?

ボストンミソ歯科医院(議政府市)では、パノラマ写真とCTで残っている歯と歯槽骨(alveolar bone)の状態を確認したうえで、上下それぞれをどのような方法で進めるかを分けて計画しています。骨の状態によって、仮歯を早い時期に連結する場合と待つ場合とに分かれます。

Q. 全顎インプラントをすると、歯がない状態でどのくらい過ごすことになりますか?

骨に定着する力が十分であれば、埋入後の早い時期に固定式仮歯を連結でき、このケースでは下顎が1週間を超えませんでした。ただし骨移植が必要な部位は待機期間が生じ、その間は取り外しできる仮義歯を使用できます。

Q. 上下の全顎インプラントは一度に行う必要がありますか?

一度に行わなければならないわけではありません。上と下では骨の状態や必要な処置が異なる場合があり、同じ患者様でも進め方や時期を分けることがあります。実際の順序は検査後に決まります。

ご来院前のセルフチェック

全顎インプラントについて相談される場合は、以下の内容まで説明を受けたか確認してみてください。

☐ 上顎と下顎の骨の状態がそれぞれどうなっているか説明を受けましたか?
骨移植が必要な部位がどこか確認しましたか?
☐ 治療期間中にどのような仮歯を使うことになるかご存じですか?(固定式か、取り外し式か)
☐ 歯がない期間がどのくらいになるか説明を受けましたか?
☐ インプラントの本数だけでなくどの位置に埋入するか説明を受けましたか?

3番目と4番目が実際の生活に最も大きく影響します。本数よりも、こちらを先にお尋ねになるほうがよいでしょう。

併せて読むとよいご案内

全顎インプラントは、本数よりもどの位置にどのような条件で埋入するかが結果を左右します。

インプラント — 診断と治療計画の基準
歯槽骨自己チェック — ご来院前に6つの質問で確認してみる
歯周治療(periodontal treatment) — 歯周病で骨が減った場合
審美補綴 — 最終補綴と咬合

同じ判断が使われた他の症例も併せてご覧いただけます。

インプラントで噛むと痛かった症例 — 骨から作り直した場合
インプラント補綴を作り直した症例 — 対合歯(opposing tooth)から整理した場合

おわりに

全顎インプラントと聞くと、すべての歯を抜いて複数のインプラントを一度に埋入する治療をまず思い浮かべる方が多くいらっしゃいます。しかし実際の治療では、インプラントを何本埋入するかと同じくらい、それぞれのインプラントがどのような解剖学的位置と骨の状態に埋入されるか、どの部位に骨移植が必要か、治療期間中どのように歯を使うかまで併せて計画することが重要です。

今回の患者様の治療経験を踏まえ、これからもすべての患者様がそれぞれの口腔状態に最も適した方法で治療を受けられるよう、より丁寧に診断・計画することに力を尽くしてまいります。単にインプラントを埋入するだけにとどまらず、骨の状態、歯ぐきの回復過程、そして上下の歯が自然に調和しているかまで、段階ごとにしっかり確認しながら治療を続けてまいります。

また、治療の過程でも日常生活への不便を減らせるよう、仮歯と回復過程まで併せて考慮し、段階ごとに状態を確認しながら進めてまいります。

ありがとうございました。

議政府ボストンミソ歯科
統合歯科学専門医、李鍾範(イ・ジョンボム)院長でした。

https://maps.app.goo.gl/UmdYCx18cpP9nmyk6

参考文献

この記事で説明した判断基準は以下の文献を参考にしました。個々の患者様の診断と治療結果は口腔状態によって異なる場合があります。

  1. Gallucci GO, Benic GI, Eckert SE, Papaspyridakos P, Schimmel M, Schrott A, et al. Consensus statements and clinical recommendations for implant loading protocols. Int J Oral Maxillofac Implants. 2014;29 Suppl:287-90. doi:10.11607/jomi.2013.g4.
    — 即時荷重・早期荷重・通常荷重を区分する基準と適応を整理した合意声明
  2. Papaspyridakos P, Mokti M, Chen CJ, Benic GI, Gallucci GO, Chronopoulos V. Implant and prosthodontic survival rates with implant fixed complete dental prostheses in the edentulous mandible after at least 5 years: a systematic review. Clin Implant Dent Relat Res. 2014;16(5):705-17. doi:10.1111/cid.12036.
    — 無歯顎の下顎におけるインプラント支持の固定式全顎補綴の5年以上の生存率
  3. Pjetursson BE, Tan WC, Zwahlen M, Lang NP. A systematic review of the success of sinus floor elevation and survival of implants inserted in combination with sinus floor elevation. J Clin Periodontol. 2008;35(8 Suppl):216-40. doi:10.1111/j.1600-051X.2008.01272.x.
    — 上顎洞挙上術と同時に埋入したインプラントの生存率をまとめた系統的レビュー
  4. Garcia J, Dodge A, Luepke P, Wang HL, Kapila Y, Lin GH. Effect of membrane exposure on guided bone regeneration: A systematic review and meta-analysis. Clin Oral Implants Res. 2018;29(3):328-338. doi:10.1111/clr.13121.
    — 骨誘導再生術で遮蔽膜が露出すると得られる骨量が減少するという分析

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DOCTOR'S NOTE
李鍾範(イ・ジョンボム)院長

同じ理由で再び治療を受けることがないよう、原因まで解決することを原則としています。同じようなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

※ 治療前後の写真および症例に関するご案内
治療症例を扱った記事の場合、その患者様の治療結果であり、個人の口腔状態によって治療方法・結果・治療期間は異なる場合があります。すべての医療処置には副作用が発生する可能性があるため、治療前に十分なご相談が必要です。
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