今回の症例をひと目で
- #26・27インプラントの被せ物部位の歯ぐきが繰り返し腫れて来院
- 初診時パノラマ写真で対合歯#36・37の挺出と被せ物スペース不足を確認 — 特に#27が顕著
- 既存の被せ物は既製アバットメント・SCRP・深い歯肉縁下マージンで、歯肉貫通部が凸型で厚みのある形態
- 被せ物除去時に#27周辺の腫れと炎症所見を確認
- 薬や別途の歯周治療なしでヒーリングアバットメントのみを装着して経過観察 — 発赤と腫れが減少
- #37深い歯肉縁下う蝕 — 骨削除を伴う歯冠長延長術(CLP)後に根管治療、ポストなしでコアを築造、ジルコニアクラウン
- #36根管治療なしで生活歯のままジルコニアクラウン
- #26・27と#36・37の印象を一度に採得し、同じ咬合関係の中で一緒に設計
- 新しい被せ物はカスタムアバットメント・ジルコニア・SCRPで、凹型の歯肉貫通部、#26は一部マージンをやや歯肉縁上に設定
- 被せ物完了時点で#27の歯ぐきが安定、咬合平面が整い、被せ物の輪郭が改善したことを確認
“左上のインプラントのあたりの歯ぐきが何度も腫れます。治まったと思うと、また腫れるんです。”
こんにちは。
同じ理由で再びご来院いただくことがないよう
長く快適にお使いいただける治療を考える
統合歯科学専門医
議政府ボストンミソ歯科
李鍾範(イ・ジョンボム)院長です。
インプラントの被せ物部分の歯ぐきが繰り返し腫れると来院された方です。インプラントの歯ぐきが腫れたとき、原因が歯ぐきだけにあるとは限りません。腫れていたのは上(#26・27)でしたが、パノラマ写真でまず目に入ったのは下の奥歯2本(#36・37)でした。
💡 核心の答え
インプラントの被せ物部分の歯ぐきが繰り返し腫れる場合、歯ぐきだけの問題ではなく被せ物が入るスペースそのものが不足して生じた結果であることがあります。噛み合う歯がない状態を長く放置すると、対合歯(opposing tooth)が上に伸びる挺出(supraeruption)が起こり、その状態で被せ物を装着すると高さが足りず被せ物が厚くなり、マージン(margin)が歯ぐきの中に押し込まれます。すると歯ぐきは押され続けた状態になり、押された部位には歯ブラシもデンタルフロスも届きません。ボストンミソ歯科 李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — インプラントの被せ物部分が繰り返し腫れる場合、歯周治療を繰り返す前に対合歯との関係、そして被せ物の形状からまず見直します。
この記事の写真は治療前後を比較するためのものではなく、診断時点から被せ物完了時点までの進行過程を時点ごとに記録したものです。実際の治療結果は患者様の口腔状態によって異なることがあります。
併せてご覧いただきたい案内 — この症例のようにフィクスチャー(fixture)が安定していれば、除去せずに被せ物だけを作り直して活かします。「残せるなら残し、除去が必要なら骨を残しながら抜く」という再手術基準の全体はインプラント再手術のご案内にあります。
腫れていたのは上なのに、原因は下にありました
歯は噛み合う相手がいないと、その位置にそのままとどまりません。噛み合う歯がない臼歯部(posterior region)で挺出とそれによる咬合(occlusion)干渉が観察されるという報告があります[1]。問題は、この挺出が上のインプラントの被せ物が入る垂直的スペースをその分だけ削っていくという点です。

初診時パノラマ写真で確認された状況です。
・上の左側奥歯の位置(#26・27)にインプラントが埋入され、被せ物が装着されている
・その対合歯である#36・37が上に伸びている状態(挺出)

腫れていた部位と原因のある部位は異なっていました。
李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 上のインプラントが腫れると来院されても、パノラマ写真では噛み合う下側も併せて見ます。原因が反対側にある場合があるためです。
被せ物を外して確認したこと


・被せ物が入る垂直的スペースが非常に不足した状態で、特に#27部位が顕著でした
・#27周辺の歯ぐきは腫れており、炎症所見が明らかでした — インプラントの炎症は、このように被せ物を外して初めて範囲が正確に確認できる場合があります

スペースが足りない場所に被せ物を装着する方法は2つのうちどちらかです。対合歯を整えてスペースを作るか、その狭いスペースに無理に合わせるか。
なぜ腫れが続いたのか — 歯ぐきを通る部分の形態
除去した既存の被せ物では、次の条件が重なっていました。
・既製アバットメント(abutment)が使用されており、マージンが深い歯肉縁下(subgingival)にありました
・不足したスペースに合わせたため、歯肉貫通部が凸型で厚みのある形態でした
・隣接面(エンブレージャー)が狭く、デンタルフロスや歯間ブラシが通る隙間がほとんどありませんでした
インプラントクラウンが歯ぐきを通る区間の角度と形態が、歯垢の蓄積および周囲組織の炎症所見と関連するという研究[2]や、補綴物の形状・マージン位置といった補綴的要素がインプラント周囲炎(peri-implantitis)と関連するという研究[3]が報告されています。
このケースで確認された所見もその傾向と一致していました。歯ぐきは押され続けており、押された部位は患者様ご自身では磨けない場所でした。
李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 同じ部位が繰り返し腫れるのであれば、消毒と歯周治療を繰り返す前に、その部位を押している構造が何かをまず探します。
同じ原則でアプローチした別のケースとして、前歯のブリッジが繰り返し外れていた理由も併せてご覧いただけます。
治療の順序 — 上は休ませ、下を先に整える
患者様には上のインプラントの被せ物だけを作り直しても同じ条件が繰り返される可能性があるという点、そのため挺出した#36・37のクラウン治療も併せて必要であるという点をご説明したうえで進めました。ご希望の範囲より治療が広がる説明でしたが、根拠となるパノラマ写真と口腔内写真を併せてお見せしながら、そのままお伝えしました。
既存の被せ物を除去した#26・27には、ヒーリングアバットメントを装着しておきました。歯ぐきを押していた厚い被せ物が外れ、同時にその部位を磨いて清掃できるアクセス性が生まれた状態で、下の治療が進む間、経過を観察しました。
李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 炎症のあるインプラント周囲の歯ぐきに、すぐに最終的な被せ物を装着することはしません。圧迫と衛生管理の死角をまずなくし、組織が安定したことを確認したうえで型を採ります。
#37 — 深い歯肉縁下う蝕(caries)、歯冠長延長術(CLP)後に根管治療・クラウン
#37はう蝕が歯ぐきの下の深いところまで進行していました。この状態でクラウンを被せると、クラウンのマージンが再び歯ぐきの中深くまで入り込み、上のインプラントで確認されたのと同じ条件が下にもできてしまいます。
そこで歯ぐきと骨を併せて整え、健康な歯質を歯ぐきの上に露出させる歯冠長延長術(CLP)を行いました。その後根管治療を終え、ポストなしでコアを築造したうえで、ジルコニアクラウンを製作しました。


#36 — 根管治療なしで生活歯のままジルコニアクラウン
#36は挺出量と必要な削合量を計算した結果、神経に触れずに進められると判断し、根管治療をせず生きたままの歯にジルコニアクラウンを製作しました。
李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 挺出した歯だからといって一律に根管治療を行うわけではありません。削合量を計算し、神経を残せるのであれば生活歯のまま残します。ただし#37のようにう蝕が歯ぐきの下まで進行している場合は、その事実をそのままお伝えし、必要な処置を併せて進めます。
ヒーリングアバットメント期間が教えてくれたこと
#37の治療が進む間、#26・27はヒーリングアバットメントのみを装着した状態で過ごしました。その期間、抗生物質を使ったり別途の歯周治療を行ったりしなかったにもかかわらず、#27部位の発赤と腫れが減り、歯ぐきが安定した様子が確認されました。
この期間に変わった条件は、実質的に一つだけでした。既存の被せ物が外れたことで歯ぐきを押していた圧迫がなくなり、同時にその部位を磨けるようになったこと。薬も追加の処置も加えていない状態で組織が回復したという事実は、この部位の炎症に既存の被せ物の形状とそれによる衛生条件が関与していたことを裏づける臨床的根拠です。
同じ論理を裏返すとこうなります。似た形態の被せ物を再び装着すれば、回復した歯ぐきは同じ圧迫と同じ衛生条件に戻ってしまいます。そのため、このケースで被せ物の形状を再設計したことは審美的な選択ではなく、確認された原因を取り除くための処置でした。
李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 被せ物を外したときに歯ぐきが自然に回復するなら、原因は歯ぐきではなく被せ物側にあったと考えます。その状態で以前と似た形態に作り直せば、同じ条件が戻ってきてしまいます。
上下を一度に — 印象採得と被せ物の設計
#37の歯ぐきが安定し、下の2本の歯の削合が終わった時点で、#26・27インプラントと#36・37の印象を一度に採得しました。下を先に完成させて上を後から合わせる方式ではなく、4本を同じ咬合関係の中で一緒に設計したのです。対合歯との関係がこのケースの出発点だっただけに、上下を分けて作ると、確立しようとしていた咬合平面が再びずれる余地がありました。


カスタムアバットメント(custom abutment)を装着した時点でも、歯ぐきは安定した状態を維持していました。新しい被せ物(ジルコニア、SCRP)で設計した内容は次のとおりです。
・カスタムアバットメントで凹型の歯肉貫通部を形成 — 歯ぐきが通る区間を押し出さずに空けます
・埋入深度が比較的浅い#26は、一部マージンをやや歯肉縁上(歯ぐきの上)に設定 — マージンを目で確認し、直接磨ける位置に置きます
・歯ぐきの区間で凸型に圧迫していた部位をなくし、アバットメントとクラウンが段差なく自然に移行するように
・エンブレージャーを開けて、デンタルフロス・歯間ブラシが実際に通るように
今回のケースでは、凹型のカスタムアバットメント設計が既存の凸型既製アバットメントより明らかに適していました。審美的な選択ではなく、確認された圧迫部位をなくし衛生管理のためのスペースを確保するために欠かせなかった被せ物設計でした。
| 項目 | 既存の被せ物 | 今回再設計した被せ物 |
|---|---|---|
| アバットメント | 既製アバットメント | カスタムアバットメント |
| 歯肉貫通部の形態 | 凸型で厚みがある | 凹型に形成 |
| マージン位置 | 深い歯肉縁下 | #26は一部マージンをやや歯肉縁上(supragingival) |
| 被せ物の厚み | スペース不足で厚い | 確保されたスペースに合った厚み |
| アバットメント–クラウン移行部 | 段差あり | 連続的に移行 |
| エンブレージャー | 狭く清掃器具が入りにくい | 開けてデンタルフロス・歯間ブラシが通る |
| 維持方式 | SCRP | SCRP(同一) |
ここで押さえておきたいこと — 変わったのは技術ではなく順序です
既存の被せ物もそのスペースではそう作るしかなかった可能性が高いです。対合歯が下りてきて高さのない場所に被せ物を装着するには、厚くなりマージンが歯ぐきの中に入り込むこと以外に選択肢が多くありません。
そのため、このケースで実際に変わったのは被せ物の技術ではなく順序です。まずスペースを作り、その後で被せ物を作りました。凹型の貫通部も浅いマージンも、スペースが確保されたからこそ初めて選べた設計です。
ただし、凹型の形態がすべてのインプラント、すべての条件で常に有利という意味ではありません。凹型と凸型の形態を比較した系統的レビュー・メタ分析では、凹型に有利な傾向が観察されたものの統計的に有意な差には至らず、主に単一インプラントの唇側粘膜安定性を扱った研究でした[4]。設計は埋入深度・歯ぐきの厚み・被せ物のスペースによってケースごとに異なります。
李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 対合歯にまで手を加えるケースでは、上下の印象を一度に採ります。分けて作ると後から作るほうが先に作ったものに引っ張られ、最初に確立しようとした咬合平面が再びずれることがあるためです。
被せ物完了時点で確認したこと



・#27部位の歯ぐきが短期的に安定した様子を確認
・咬合平面が整い、上下の奥歯が均等に噛み合う形態に
・インプラント補綴物の輪郭が隣接する歯と調和する形態に改善
治療前と被せ物完了時点を並べると、このとおりです。撮影間隔は約1か月で、長期的な維持については今後のケアによって異なります。


これは被せ物完了時点の所見であり、長期的な維持については今後の定期的な確認とケアによって異なります。
インプラントは埋入して被せ物を装着すれば終わる治療ではありません。対合歯・被せ物のスペース・歯肉貫通部、そして患者様ご自身で磨けるかどうかまで併せて設計する必要があるため、その結果として治療範囲が広がることがあります。
こんな場合に検討できます
✅ 検討できます
・インプラントの被せ物部分の歯ぐきが繰り返し腫れ、治療後に治まってもまた腫れる場合
・インプラントの被せ物周辺にデンタルフロスや歯間ブラシがうまく入らない場合
・被せ物部分から臭いがする、または食べ物が繰り返し詰まる場合
・長く空けていた場所にインプラントを計画中で、噛み合う反対側の歯が下りてきていると説明を受けた場合
⚠️ 別のアプローチが必要です
・すでにインプラント周囲の骨がかなり失われている場合 — 被せ物の作り直しだけでは対応できず、骨の状態について別途の判断が先に必要です(骨から作り直して再埋入(re-implantation)した症例)
・インプラントの埋入位置や角度そのものが被せ物の設計で補える範囲を超えている場合
・挺出量が大きく、クラウンの削合だけではスペースが確保できない場合 — 矯正的圧下や抜歯を含む別の計画を検討する必要があることがあります
・歯周炎(periodontitis)が全体的に進行している場合 — 被せ物に先立って歯周治療が先行される必要があります
個々の診断と治療結果は口腔状態によって異なります。実際の計画は検査後に決定されます。インプラント治療全般についてはインプラント診療のご案内で、歯ぐきの状態も併せて問題となる場合は歯周治療(periodontal treatment)でご確認いただけます。
よくある質問 Q&A
Q. インプラントの歯ぐきが腫れていますが、歯周治療だけ受けてはいけませんか?
歯ぐき自体の炎症が原因であれば、歯周治療で治まる場合があります。ただし、今回のケースのように被せ物の形状が歯ぐきを押し続け、その部位が磨けない構造になっている場合は、条件が変わらない限り同じ状態に戻ってしまうことがあります。実際にこのケースでは、既存の被せ物を除去しヒーリングアバットメントだけを装着していた期間、薬や別途の歯周治療なしでも発赤と腫れが減少しました。李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 被せ物を外したときに歯ぐきが自然に回復するのであれば、原因は被せ物側にあると考え、歯周治療を繰り返す代わりに被せ物を再設計します。
Q. 問題のない下の奥歯にまでクラウンを被せる必要があるというのが理解できません。過剰診療ではありませんか?
挺出した歯はそれ自体では痛みがないため、問題ないように見えるのは当然です。しかし、上の被せ物が入るスペースをその歯が占めているのであれば、上だけを作り直しても被せ物の厚みとマージン位置は同じ条件に戻ってしまいます。このケースで下の治療は、上の被せ物を正しく作るための前提条件でした。李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 治療範囲を広げる必要があるときは、なぜ必要かをパノラマ写真と口腔内写真でまずお見せし、同意いただいた範囲のみ進めます。
Q. 挺出した歯は必ず根管治療をしなければなりませんか?
そうではありません。挺出量と必要な削合量を計算し、神経に触れずにクラウンが可能な場合があります。今回のケースでも#36は根管治療なしで生活歯として進めました。ただし#37のように虫歯が歯ぐきの下深くまで進行している場合は、歯冠長延長術(crown lengthening)と根管治療が併せて必要になることがあります。李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 神経は残せるなら残し、残せない場合はその判断根拠を写真でお見せします。
Q. カスタムアバットメントと既製アバットメントは何が違いますか?
既製アバットメントは規格に合わせてあらかじめ作られた部品で、カスタムアバットメントはその患者様の歯ぐきの高さや形態に合わせて個別に製作する連結構造物です。歯肉貫通部の形態とマージン位置を望むとおりに設計できる点が違いです。既製アバットメントが常に不適合というわけではなく、埋入深度と歯ぐきの条件が合えば十分に使用できます。李鍾範(イ・ジョンボム)院長の基準 — 歯ぐきの条件が不利な場合や埋入深度が微妙で形態を個別に作る必要がある場合に、カスタムアバットメントを選択します。
Q. インプラントの被せ物を作り直すと、インプラントも再び埋入し直す必要がありますか?
インプラント本体(フィクスチャー)が骨に安定して維持されており、位置・角度に問題がなければ、本体はそのままにアバットメントとクラウンだけを作り直すことができます。今回のケースも再埋入なしで被せ物だけを再設計しました。ただし本体周囲の骨が大きく失われている場合や埋入位置自体に問題がある場合は判断が異なります。
Q. 治療期間と来院回数はどれくらいでしたか?
このケースは約1か月、約6~7回の来院で進めました。歯冠長延長術の後、歯ぐきが安定するまでの期間が必要で、その間、上のインプラントはヒーリングアバットメントを装着した状態で経過を観察しました。その後、上下の印象を一度に採得し、被せ物を一緒に製作しました。期間と回数は歯ぐきの状態と治療範囲によって異なります。
よく検索される質問
Q. 議政府でインプラントの被せ物を作り直せる歯科医院はありますか?
ボストンミソ歯科医院(議政府市)では、既存のインプラントの被せ物部分の腫れや不快感について、パノラマ写真と口腔内写真で原因をまず確認したうえで、被せ物の作り直しが必要かを判断しています。インプラント本体の状態によって、被せ物だけを作り直す場合と、別のアプローチが必要な場合に分かれます。
Q. インプラントの歯ぐきが繰り返し腫れますが、どこへ行けばよいですか?
埋入した病院でまず確認してもらうのが順序です。同じ症状が繰り返し現れる場合や、原因の説明が十分でないと感じられる場合は、パノラマ写真と口腔内写真で被せ物の形状と対合歯の関係まで併せて診てくれるところで、改めて確認してみることができます。
Q. インプラントの歯ぐきが腫れていますが、被せ物を外して確認できますか?
ねじで維持する方式(SCRPを含む)であれば、被せ物を外してアバットメントと歯ぐきの状態を直接確認できます。今回のケースも被せ物を外して初めて、スペース不足と炎症所見を正確に確認できました。セメントのみで維持する方式であれば、除去方法が異なるため事前の判断が必要です。
ご来院前のセルフチェック
以下の項目のうち当てはまるものがないか確認してみてください。
☐ インプラントの被せ物部分の歯ぐきが繰り返し腫れる
☐ 歯周治療を受けると治まるが、また腫れる
☐ インプラントの被せ物の間にデンタルフロスが入らない
☐ その部位から臭いがする、または出血する
☐ インプラントをしてから噛む感覚に違和感がある
☐ 反対側に長く空けている場所がある
☐ インプラントの被せ物が他の歯より特に厚く見える
当てはまる項目がある場合は、歯ぐきだけでなく被せ物の形状と対合歯の関係も併せて確認してみることをお勧めします。他にご不明な点はよくある質問でもご確認いただけます。
参考文献
この記事で説明した判断基準は以下の文献を参考にしました。個々の患者様の診断と治療結果は口腔状態によって異なる場合があります。
- Craddock HL, Youngson CC. A study of the incidence of overeruption and occlusal interferences in unopposed posterior teeth. Br Dent J. 2004;196(6):341-8; discussion 337. doi:10.1038/sj.bdj.4811082.
— 噛み合う歯がない臼歯部で挺出と咬合干渉が観察される頻度を調査した研究 - Pelekos G, Chin B, Wu X, Fok MR, Shi J, Tonetti MS. Association of crown emergence angle and profile with dental plaque and inflammation at dental implants. Clin Oral Implants Res. 2023;34(10):1047-1057. doi:10.1111/clr.14134.
— インプラントクラウンの歯肉貫通部の角度・形態が歯垢の蓄積および周囲組織の炎症所見とどのような関連があるかを検討した研究 - Yi Y, Koo KT, Schwarz F, Ben Amara H, Heo SJ. Association of prosthetic features and peri-implantitis: A cross-sectional study. J Clin Periodontol. 2020;47(3):392-403. doi:10.1111/jcpe.13251.
— 補綴物の形状・マージン位置など補綴要素とインプラント周囲炎の関連を調べた横断研究 - Pirc M, Balzarini P, Esquivel J, Zuercher AN, Jung RE, Strauss FJ. Influence of Concave Versus Convex Emergence Profiles on Midfacial Mucosal Stability – A Systematic Review With Meta-Analysis. J Esthet Restor Dent. 2026. doi:10.1111/jerd.70210.
— 凹型と凸型のエマージェンスプロファイルを比較した系統的レビュー・メタ分析。凹型に有利な傾向が観察されたが統計的有意差には至らず、主に単独インプラントの顔面側粘膜安定性を扱った研究
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同じ理由で再び治療を受けることがないよう、原因まで解決することを原則としています。同じようなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
治療症例を扱った記事の場合、その患者様の治療結果であり、個人の口腔状態によって治療方法・結果・治療期間は異なる場合があります。すべての医療処置には副作用が発生する可能性があるため、治療前に十分なご相談が必要です。